【表彰】おおしま国際手づくり絵本コンクール2022・最優秀賞作品に「てんぐ池のメダ次」
29回目となる「おおしま国際手づくり絵本コンクール2022年おとなの部」(主催:射水市絵本文化振興財団、理事長泉洋氏)の最優秀賞文部科学大臣賞に、京都市のさくらいえいじ(ペンネーム)氏の「てんぐ池のメダ次」が選ばれ7月23日、金・銀・銅ほか各受賞者とともに授賞式が行われた。
今年は全国33都道府県の19歳から88歳までの幅広い年齢層から251点の作品が寄せられ、うち、しかけの部に23点の出品があった。家族や仲間、生活の実体験をもとにした絵本、宇宙を舞台に月と遊ぶしかけ絵本、菌糸体(きのこ)を擬人化した科学絵本など、年代や時代を反映したテーマ、画材、スタイル、色づかいで入賞作品のどれが最優秀に選ばれても全くおかしくないほどに優秀な作品ぞろいだったという。
最優秀賞作品「てんぐ池のメダ次」(写真)は天狗に頼んで手足をもらったメダカのメダ次がさらに願い事を頼むや、オートバイに乗って池を飛び出すという奇想天外な物語を和紙に描いた。はたこうしろう審査委員長は「素朴に笑え、飄々として大胆に墨で描いた内容は作者の素顔や心の中が素直に表れている。クリップで止めただけの製本を開くと全ページつながった屏風折りという変わった装丁の意外性も高く評価された」と講評。
作者のさくらいえいじさんは「キャラクターのメダカは自分の生まれ育ったふるさと(石川県七尾市)でいつも身近にいた。書道を経験したことと、現在京都に住んでいて墨の微妙な感じを和紙に表現することの良さに気づかされている」という。2017年の奨励賞、18、21両年の入選を経て今回、最高賞に輝いた。
金賞の富山県知事賞はわきたようこさん・わきたたかしさん(神奈川県)の「森のふたご宙で遊ぶ」が、同金賞の射水市長賞にはハフマン恵真さん(兵庫県)の「きんじやときのここびと」が選ばれた。他に銀賞と銅賞が各2点、奨励賞が10点選ばれ、31点が入選した。
審査員は絵本作家のはたこうしろう氏と山本孝氏、はまなす文庫主宰の細川律子氏、日本画家の広田郁世氏が務めた。