地球と遊ぶ〈PLAY EARTH PARK〉富岩運河環水公園・富山県美術館で地球の要素を遊具にして
スポーツアパレル大手のゴールドウイン(本店小矢部市・東証プライム)が富山市の富岩運河環水公園と富山県美術館を会場に、地球と遊び、スポーツの原体験となる場所を提供する「PLAY EARTH PARK」が7月23日から始まった。富山県の特別協力で8月14日まで開催される。
2020 年に創業70周年を迎えた同社は、自然や環境との新たな関わりを生み出していく「PLAY EARTH」(地球と遊ぶ)をコンセプトに掲げている。未来をつくる子どもたちに、スポーツの起源である自然に備わっている原理、現象を遊びを通して、好奇心のままに学び感動する体験の積み重ねが大切との思いから企画した。
22日に新田八朗富山県知事も同席して開かれた記者会見で、ゴールドウインの西田明男会長が「コロナの影響で遅れたが、ユニークな遊具で今までに体験したこともない遊びを通して子どもたちが大切な時間を少しでも楽しく過ごし、美しい未来を与えてくれる機会を、創業の地、富山で実現し提供できればこれ以上嬉しいことはない」と語り、渡辺貴生社長は「創業70年の歩みとともに、30年後を見据え未来を担う子供たちに自然と遊ぶという本来のスポーツの在り方を伝えたいとの思いをがあり、地球や自然、不思議の要素を遊具にして、言葉がなくてもいろんな人たちがつながりをもてる体験の場を作りたい」とPLAY EARTH PARK開催の背景と意義を説明した。
97,000平方メートルの広さをもつ富岩運河環水公園の会場には、地球を構成する「地」「水」「火」「風」「空」の5つのテーマで個性の異なる5組の若手建築家と共同で製作した「今までに経験したことのない個性的でユニークな遊具」が配置されている。有機的に繋がり合う会場環境も2名の建築家がデザインした。
例えば「地」(山田紗子)は、岩場や崖のようなマーブル模様の六角形の角錐群につくられた隙間に入り込むと、地の中に入っていく感覚とは別の流動的な様相を感じとれる。「水」(橋村雄一/澤田航)は、水が張られたハンドパンをたたくと波動となって音を生み出す。「静止している水をどうやって人と触れ合えるかを打楽器と結び付けた」という。
「風」(写真・上)(中村竜治)は、高さ12メートルの半円の筒の内側に塗られた黒が光を受けて気圧が下がり、上昇気流を生む。その風を受けて紙飛行機が空へと舞い上がっていく、熱と気圧差によるシンプルな原理を体験し、学ぶとともに創造力を生み出すきっかけをつくる。
また「空」(写真・右)(大野友資)は、透明なビニールで形も大きさも硬さも異なる83個の空気のかたまりに、飛んだり跳ねたり、思い切り体を預けて、それぞれ自由な遊び方が楽しめる遊具などが広い空間と緑の中に設置されている。
期間中は富山県美術館と連携して子どもたちの自由な発想を導き出すワークショップを開催するほか、ザ・ノースフェイスやヘリーハンセン、ゴールドウインなど同社の主力ブランドから、PLAY EARTHのコンセプトを反映したアイテムを販売するポップアップストアも出店する。
遊具は10時~17時(雨天を除く)、ポップアップストアは9時半~18時(水曜休館)まで営業。また会期中は同イベント仕様にラッピングした路面電車7000形が富山市中心部を運行する。