【事業再編・再構築】富士通/イセ食品
富士通
グループを組織編成、富山富士通を吸収合併
富士通(本社東京、社長時田隆仁氏)は子会社の富山富士通(本社富山市、社長柳原昌和氏)を4月1日付で吸収合併する。同社は1988年に富士通の全額出資で設立され、本社を富山八尾中核工業団地内に置く。資本金は4億円、従業員数は21年12月現在で256人。富士通グループの社内ITCインフラ(情報システム・ネットワーク・社内データセンター)を運用し、富士通グループ向けソフトウェアの出荷やシステムエンジニア(SE)支援を担ってきた。

富山八尾中核工業団地内の富山富士通本社
富士通では顧客の要望に応じた個別のシステム開発から企業のデジタル化を支援する事業モデルへの転換に力を入れている。その柱となる社内DX(デジタルトランスフォーメーション)の変革を図るため、2021年4月に自治体向けビジネスなどを集約した新会社「富士通Japan」を本格稼働させ、SE系グループ会社15社を吸収合併、グループ会社の組織編成で機能集約も進めている。今回の富山富士通の吸収合併もその一環で、同社は本社のデジタルシステムプラットホーム本部に移行する。
こうした事業の見直しに合わせて本社と国内のグループ会社に所属する50歳以上を対象に募集していた早期退職で3月8日、課長級以上の社員3,031人が3月末で退職すると発表した。国内の幹部社員のおよそ5分の1にあたるという。
イセ食品
グループのトーチクを事業譲渡
国内鶏卵最大手のイセ食品(本社東京、社長田中保成氏)はグループ会社トーチク(本社北海道札幌市、社長和泉富壽男氏)の資産と事業を、北海道や東北で鶏卵の生産販売を行うホクリヨウ(本社北海道札幌市、社長米山大介氏)に2022年4月1日付で譲渡する。譲渡する鶏卵生産販売事業の売上高は20億円、売上総利益9,900万円、営業利益100万円、経常利益400万円(21年1月期)。
トーチクは1955年に創業し、北海道内で赤玉を中心とした鶏卵の生産・販売を行っている。2014年イセ食品グループのイセファーム東北の子会社となり、イセ食品を通じて「森のたまご」や「美々の雫」など同社ブランド製品を製造、販売している。
イセ食品では鶏卵事業を全国で多角的に展開する中、トーチクの設備投資や経費削減で事業の効率化を進め、経営の選択と集中を加速させる。譲渡額はおよそ5億円で、最終金額は3月31日時点での成鶏、ヒナ雛、飼料などの棚卸金額で確定する。トーチクは当面存続するが、残存債権・債務の整理を進めた上でイセ食品に吸収する。