【テイカ製薬】ミノキシジルよりも毛の伸長促進効果がある物質を発見 ナノ粒子化にも成功、スカルプケア商品発売

 総合医薬品メーカーのテイカ製薬(本社富山市、社長金岡克己氏)は、ドラッグ・リポジショニング(DR、既存薬再開発)の手法を応用しミノキシジル以上の毛の伸長効果を発揮する候補物質を探索中に、シモンコライト(塩基性塩化亜鉛)にミノキシジルよりも毛の伸長を促進する効果があることを発見した。

シモンコライト

 DRは、ヒトでの安全性や体内動態が確認されている既存薬の新しい効果を発見し、別の疾患治療薬として開発するもので、失敗の可能性の少ない優れた開発手法とされる。シモンコライトはJFEミネラルが開発した純国産のセラミック物質で、亜鉛イオンを徐々に放出して皮膚を保護する成分。テイカ製薬はシモンコライトの創傷治癒効果に着目し、ラットの髭毛包の器官培養法で確認したところ、5日目以降でミノキシジルよりも毛の伸長を促進することを発見した。

毛の伸長促進効果の比較

 また微細化技術によりシモンコライトを150~250nmにナノ粒子化することに成功し、ざらつき感や白色の肌残りがなく滑らかな使用感にするとともに、少ない利用頻度で効果が長く続くようにした。

 このほど発売したのは、シモンコライトや植物由来成分、天然保湿因子などを機能成分として高配合した頭皮用美容液「be Answer(ビーアンサー)スカルプケアエッセンス」。スキンケア感覚で頭皮ケアを習慣にできる美容液として開発し、頭皮や頭髪のベタつき、フケ、かゆみ、髪のハリ・コシの低下、ボリューム感などをケアする。特に保湿バランスとリラックスできる香りにこだわったという。

 製品の容器には廃プラスチックや海洋プラスチックゴミの削減などに配慮してスパウトパウチを採用、パッケージに古紙100%を使用するなど環境対策にも取り組んでいる。販売はWEBサイトのみ。

 これまでも同社は独自の製剤技術により有効成分を別の剤型に変更することで大手製薬会社と共同でDRを行い、点眼剤・軟膏剤の新薬を発売している。現時点でシモンコライトは医薬品として承認されていないが、同社はシモンコライトを使った育毛剤の製品化を目指している。