【YKK不動産】第4期街区用木材伐採跡地に植林 地場産木材活用と脱炭素化につなげる

 黒部市で自然エネルギーを取り入れた次世代集合住宅「パッシブタウン」の整備を進めているYKKグループ・YKK不動産(本社東京、社長小林聖子氏)はこのほど、第4街区で使われる建築用木材を伐採した跡地にスギの苗木を植樹した。パッシブタウンに住む児童や、施工関係者、地元森林組合、林業会社、YKK社員ら約30人が参加した。

 第4街区では、地元新川産木材を使った初の木造建築の保育園を建設中で、二酸化炭素を吸収し再生可能な自然資本としての森林資源を保全サイクルすることにより脱炭素化につなげる。

 伐採地は魚津市と黒部市の境にある標高427メートルの通称居坂山の東城地区などにあり、そのうちの約0.1haに無花粉スギ「立山 森の輝き」220本を植えた。「立山 森の輝き」は富山県農林水産総合技術センター森林研究所が花粉症対策の一環として全国に先駆けて開発、2007年、種子による量産技術を確立し農林水産省に品種登録した全国第1号の無花粉スギ。県は苗木の生産体制の整備や、スギ人工林の伐採跡地への植栽等に取り組んでいる。

 保育園は延べ床面積約470平方メートル。総事業費3億5,000万円を投じ、2022年3月の開業予定で、自然の通風はもちろん、太陽光発電の利用や建築構造の工夫、地元産木材の活用など新しい試みを取り入れる。戦後造成された人工林の本格的な利用期を迎えた樹齢30年~50年の樹木を使用し、原木換算で約140立方メートルになるという。

 同社は「森林の資源循環による脱炭素化への貢献、地域経済の活性化につなげるとともに、初めての木造建築による省エネ性能を検証し、海外での実情や建築家の選定も含め次の第5期街区以降に成果を活かしたい」(𠮷田忠裕会長)考えだ。