【キッズデザイン賞】子どもの安全・安心と成長発達に配慮したデザインを顕彰 県内から3社の製品と認定こども園が受賞
子どもの安全・安心と健やかな成長発達に役立つ優れた製品・サービス・空間・研究活動などを顕彰する「第15回キッズデザイン賞」(主催キッズデザイン協議会)の受賞作品が決定し、富山県内から三協立山、大建工業、YKK APの製品と下堀こども園が受賞した。
三協立山(本社高岡市、社長平能正三氏)は、バルコニー「オルネ」(写真)とDI(ダイナミックインシュレーション)窓の2商品が「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」で受賞した。「オルネ」はバルコニー下の空間で雨の日でも子どもたちが遊ぶことができるよう空間の有効活用を図り、手すりの乗り越え、すり抜け防止など安全性にも配慮した。DI窓は窓を開けずに換気ができる二重窓で、小さい子どもがいても安全・安心を確保しながら心地よい空間をつくれる。
大建工業(本店南砺市、社長億田正則氏)は、天井吊り下げ吸音パネル「KIN TONE(キントーン)」が「子どもたちを産み育てやすいデザイン部門」で受賞した。壁が展示物や掲示物で埋まっている幼保施設の遊戯室や保育室で、比較的障害物の少ない天井に設置することで効率的に吸音効果を発揮し、子どもや保育士のストレスを軽減できる。吊り下げ施工なので天井の形状が曲面でも設置できるのが特長。
YKK AP(本社東京、社長堀秀充氏)は4商品が選ばれた。「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン部門」で受賞した高窓・収納網戸用操作ひも「ループレス」(写真)は、操作ひものループ(輪)を用いない新機構を採用し、事故リスクを軽減するとともに片手でも操作できるようにした。
「子どもたちを生み育てやすいデザイン部門」で受賞したのは、有効開口幅を広げることでベビーカーでの出入りがスムーズにできるリフォーム玄関引戸「ドアリモ玄関引戸 袖付2枚連動引込み戸」、両手がふさがっていても顔認証で玄関ドアの施解錠ができる「スマートコントロールキー」、おうち時間を充実させ子どもが安全に遊べる「ウチソト空間」を提案するパッケージの3商品。YKK APの受賞は2012年から10年連続となる。
富山市下堀にある認定こども園の下堀こども園は、教育施設と保育施設のデザインとコンサル集団である「日比野設計+幼児の城」が担当し受賞したプロジェクト8件のうちの一つ。家具のデザインはKIDS DESIGN LABO が担当した。「立山連峰に見守られ、冒険心と好奇心をくすぐる園舎」をコンセプトに、園内10カ所にあなぐらを設けて子どもたちの好奇心を刺激し、日常生活の中で遊びを創造する力と健康な体を育むことのできる環境づくりが評価された。
キッズデザイン賞は2007年に創設され、「意匠」などの狭義のデザインだけではなく、「制度」「取り組み」など広義のデザインまで含めて評価の対象とする。今年は全国の企業や団体から409点の応募があり234点が受賞した。受賞作品には「キッズデザインマーク」をつけて販売促進やその成果をアピールできる。