【阪神ホールディングス】4代目の新社長に高田健氏が就任
プラスチック容器の開発・製造・販売の阪神化成工業(富山市)を中核に4つの事業会社を傘下に置く持株会社、阪神ホールディングス(富山市小中)の新社長に、5月20日付けで高田健専務(写真)が昇格し、高田順一社長は代表権を持つ会長に、高田眞代表取締役会長は取締役相談役に就いた。
健社長は順一氏の長男で、順一氏の社長在任期間が1990年の就任以来30年以上となることから経営体制の若返りを図った。1920年に同社の祖業である薬瓶の製造を始めた初代高田喜一氏から数えて4代目となり、グループ4社の社長を兼務する。
健氏は1977年1月富山市生まれ。1999年3月神奈川大学経済学部卒業後、2001年米国Beloit College卒業と同時に阪神グループの阪神容器に入社。2010年7月から同グループの専務を務めてきた。この間、富山青年会議所理事長、日本青年会議所常任理事や富山法人会青年部会理事、富山市教育委員も務めた。
グループは阪神化成工業、容器の販売商社・阪神容器(本社大阪市)、成形充填システムによる医薬品等を受託製造するファーマパック、ガラス瓶容器を扱う北陸硝子工業で構成。グループ全体の売上高は151億3,700万円、社員数は808名(2021年3月期)。
グループの中でも高成長を続けるのは、国内唯一のBFS(ブロー・フィル・シール)専業会社であるファーマパック。BFSは、プラスチック容器の成形と薬液の充填を同時に行い、瞬時に密閉、防腐剤なしで完全な無菌製剤を製造するもので、1997年、高田順一社長(当時)が「無菌充填の将来性を確信」して大沢野工場に導入した。ソフトコンタクトレンズ装着薬から始まった受託製品はその後、点眼薬、浣腸剤、吸入薬など医療用医薬品を中心に化粧品、清涼飲料水へと扱い領域を広げている。