ハイアール・ 日本企業との連携に熱い視線(2) ハイアールのオープンイノベーションの仕組み

 ハイアールアジアのR&Dの基本的な戦略は、業界をリードする商品開発、業界の基準となる技術開発である。日本市場にはAQUAブランドに加えてHaierブランドを投入し、中国市場には既存のHaierブランドにAQUAブランドを投入する。東南アジア市場ではAQUAブランドとHaierブランドの双方を投入する。

 ここで重要な役割を果たしているのが、日本にある研究開発体制である。世界をリードする冷蔵庫・洗濯機の商品及び技術を提供することにある。冷蔵庫のケースであれば、鮮度保持、省エネ、新しい冷蔵システムなどに係る技術である(図表1)。

図表1 ハイアールアジアR&Dの日本における役割
資料 : ハイアールアジアR&D株式会社「ハイアールグループについて」(2021年2月10日)

 現在行っているオープンイノベーションは、社内的には継続的イノベーション、すなわち既存技術の深化と、破壊的、あるいは革新的なイノベーションという2つの概念で技術開発が進められている。オープンイノベーションでは、特に日本の中小企業・中堅企業とのタイアップが不可欠となっており、日本企業との活発な技術交流が行われ、技術ネットワークが構築されている(図表2)。

図表2 日本におけるオープンイノベーションの仕組み
資料 : ハイアールアジアR&D株式会社「ハイアールグループについて」(2021年2月10日)

 既存分野での革新的な商品の開発事例としては、水を使わない洗濯機があげられる。服を掛けて、中から吹き出したオゾンできれいにする。携帯用の洗濯機は爆発的に売れている。充電式と電池式があり、20センチ程度の大きさである。

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