【くらしとお金に関する意識調査】1年前に比べ収入が「減った」約2割、将来のお金に対する不安約6割

 日本FP協会(本部東京)は全国の20代〜60代の男女を対象に「くらしとお金に関する意識調査」を行い、コロナ禍における暮らしぶりや意識の変化を探った。調査は2020年10月から11月にかけてインターネットリサーチで実施し、3,000名の有効サンプルを集計した。

 新型コロナウイルス感染拡大前の2019年10月の家計状況と、今年10月の家計状況について尋ねたところ、73.3%が「変わらない」としている一方、22.6%が「減った」と回答した。預貯金については「変わらない」が70.1%、「減った」21.8%と、同様の傾向を示した。

2019年10月と2020年10月の家計状況の比較

 支出の内訳をみると、1年前に比べ「食費」が増えたとする回答が23.1%、「光熱費・水道費」が25.5%あった。一方、減った費目では「衣服・美容費」が21.2%、「娯楽費」が27.2%あり、外出自粛の要請などで在宅時間が増えたことが影響していると考えられる。

コロナ禍以降で金額が増えた費目・減った費目

 コロナ禍において支出面で工夫していることでは「外食を控える」が44.4%と最多、「キャッシュレス決済を利用する」が28.5%だった。支出面で上手くいっていないと思うことでは「無駄な食費があると思う」26.6%、「無駄な光熱・水道費があると思う」16.1%が上位に入った。「 預貯金を切り崩したくないが切り崩している」が12.8%あり、特に同居人数6人以上の世帯や世帯年収が低い層で比率が高かった。

 現在の収入については全体の59.3%が不安を感じており、収入が減った人に絞ると84.2%が不安を感じると回答している。現在の支出に不安を感じているとの回答は52.9%、現在の預貯金に不安を感じているとの回答は56.2%だった。

現在のお金に対する不安:「とても不安を感じる」+「不安を感じる」

将来のお金に対する不安:「とても不安を感じる」+「不安を感じる」

 将来の収入については全体の66.6%が不安を感じていると回答し、収入が減った人に絞ると85.4%が不安を感じている。将来の支出については59.6%、将来の預貯金については62.9%が不安を感じている。

 お金のこと以外に対する不安では、「自分の健康」66.4%、「家族の健康」66.7%と健康に関する不安が多い。次いで「何に対してなのか分からないが、漠然とした不安」をあげる人が43.8%あり、収入が減った人ではその割合が56.1%と高くなっている。

 新型コロナウイルスの流行収束後に何をしたいかという質問では、「国内観光旅行に行く(宿泊を伴う)」が45.7%と最も多い。次いで「外食に行く」、「国内観光旅行に行く(日帰り)」、「友人・知 人・恋人に会う」などの回答が多い。男女別にみると、女性は観光旅行、外食を含め大半の項目で男性より意欲が高く、男性が上回ったのは上位10項目中では「飲みに行く」だけだった。

アフターコロナにしたいこと:全体のスコアが高いものを上位10項目を抜粋

 withコロナ、アフターコロナにおける「ニューノーマル(新しい生活様式)」の認知状況は、「内容も知っている」と「聞いたことはあるが内容は知らない」を合わせ68.7%となった。「ニューノーマル」と聞いて思い浮かべることは、「3密を回避する」(60.0%)、「まめに手洗い・手指消毒をする」(54.4%)の回答が多く、テレワーク、オンライン会議、電子決済、デリバリーなどコロナ禍で拡大したサービスも一定程度の割合を占めた。

*以上、グラフの出典は日本FP協会「くらしとお金に関する意識調査2020」