【受賞】県内企業の優れた製品、技術、景観が表彰される

【超モノづくり部品大賞】スギノマシン「液中微細コンタミ・油分除去ユニットJCC-HM」が機械・ロボット部品賞受賞

 モノづくり日本会議と日刊工業新聞社の主催による「第17回/2020年超モノづくり部品大賞」において、富山県内からスギノマシン(本社魚津市、社長杉野良暁氏)の液中微細コンタミ・油分除去ユニットJCC-HMが「機械・ロボット部品賞」を受賞した。

 JCC-HMは直径が100マイクロm未満の小さな泡「マイクロバブル」を利用して切削油や洗浄液中の異物、油分を除去する浄化ユニット。エアだけで稼働できて電源が不要なうえ、フィルターなどの消耗品も使わないため産業廃棄物が減り、顧客のコストと環境負荷の双方を低減できる。

 超モノづくり部品大賞は、日本のモノづくりの競争力の源泉である部品や部材に焦点を当てた表彰事業。今回は98件の応募があり、機械・ロボット、電気・電子、モビリティー関連、環境・資源・エネルギー関連、健康福祉・バイオ・医療機器、生活・社会課題ソリューションの6分野から45件(48社)が受賞した。大賞は日立製作所の「正確で高感度な血液検査を実現する画像処理モジュール」に決まった。

【富山県発明とくふう展】キタムラ機械が文部科学大臣賞、独自CNC装置に世界初の顔認証システム導入

 富山県発明協会(会長:平野治親マルマス機械会長)主催の「第58回富山県発明とくふう展」において、キタムラ機械(本社高岡市、社長北村彰浩氏)の「顔認証機能付きマシニングセンタNC操作盤」が一般・企業の部の最高賞にあたる文部科学大臣賞を受賞した。

 発明とくふう展は創意、発明、工夫に対する少年少女の関心を高め、物を創作する喜びを育むために一般、企業、児童・生徒の作品を展示して優れた作品を表彰するもの。

 受賞したNC操作盤は機械を操作する作業者の顔画像を取得してコントローラ内に登録し、作業者ごとに異なる操作制限を設定することができる。CNC装置に顔認証システムが導入されるのは世界で初めて。

 マシニングセンターは数値制御により様々な加工作業を自動で行えるが、利便性が上がるにつれて操作が複雑化しており、安全性やセキュリティの観点から、作業者の作業経験や熟練度の違いによって操作可能な範囲を制限する必要がある。物理的なキースイッチや ICタグなど外部記憶媒体による作業設定では紛失や盗難、不正利用のリスクがあり、パスワードなどの個人識別システムだと入力作業が煩雑なうえ、他人が情報を入手して使用する可能なため安全性に課題があった。今回受賞の対象となった顔認証の利用ではスイッチや入力作業を省き、作業者が操作部の前に立つだけで安全に操作制限ができる。同社ではこの顔認証システムをCNC装置「Arumatik-Mi」に搭載して販売する予定。

【日本金属学会技術開発賞】YKK 独自のアモルファス炭素膜を開発、鋳造工程の生産ロス低減

 ファスナー開発・製造・販売のYKK(本社東京、事業所黒部市、社長大谷裕明氏)が第43回日本金属学会技術開発賞を受賞した。技術開発賞は「金属およびその関連材料の工業に関する独創性に富む新技術・新製品の開発に優れた実績を挙げた技術者」に対する表彰で、同社の受賞は2回目。

 受賞者は工機技術本部分析・解析センターPJマネージャー水林舞氏、同センター専門役員櫻木卓也氏、同センターエンジニア渡邉直樹氏の3名。独自のアモルファス炭素膜を開発し、その特性を明らかにすることによりファスニング商品の鋳造ラインで使用する金型の高寿命化、生産効率の向上と生産ロスの低減を図り、製造工程での環境負荷を減らして持続可能性を高めたことが評価された。

【景観広告とやま賞】富山銀行本店ビルが大賞受賞、日経ニューオフィス賞中部ニューオフィス奨励賞も

 高岡駅前に2019年11月に完成した富山銀行(本店高岡市、頭取中沖雄氏)の本店ビルが2020年度の「景観広告とやま賞」の最高賞である「景観広告大賞(富山県知事賞)」を受賞した。

 同ビルは基礎免震構造を採用して安心・安全を強化しているほか、テレビ会議システムなどICTツールを積極的に採用して生産性の向上を図るとともに、行員の健康に配慮した運動施設も備える。地域のランドマークになることを目指し、西側の前面壁に季節ごとのイベントに合わせたライトアップを行い、高岡駅前の賑わい創出にも貢献している。

 同ビルは、第33回日経ニューオフィス賞(主催:日本経済新聞社、一般社団法人ニューオフィス推進協会)の「中部ニューオフィス奨励賞」にも選定された。日経ニューオフィス賞は快適で機能的なオフィスづくりの普及・促進を目的に創意工夫を凝らしたオフィスを表彰するもので、富山銀行本店ビルは中部ブロック主催のニューオフィス奨励賞に選ばれた。