【地方における文化行政の状況】富山県の芸術文化経費は全国13位 文化財保護経費では40位
文化庁は、地方公共団体の文化行政の現状と文化芸術を取り巻く諸状況について取りまとめた「地方における文化行政の状況」(2018年度)を公表した。

グラフ1 文化関係経費の推移

グラフ2 芸術文化経費:経費別集計額の推移
地方公共団体における文化関係経費をみると、1993年(平成5年)をピークに減少傾向にある。文化関係経費は芸術文化経費と文化財保護経費に区分されるが、芸術文化経費のうち文化施設建設費がバブル崩壊後に大きく落ち込んだことが主因とされる。
各自治体では文化政策のための条例を制定して文化芸術振興に取り組んでおり、近年は持ち直しつつある。2017年の文化関係経費は対前年比3.0%減だったが、2018年は7.9%増の4,700億円となった。そのうち芸術文化経費が3,825億円で8割強を占め、文化財保護経費は875億円となっている。
芸術文化経費の内訳をみると、芸術文化事業費(芸術文化関連,芸術文化団体に対する補助に係る経費)が724億円、文化施設経費(文化会館、美術館等の管理運営に係る経費)が2,403億円、文化施設建設費が698億円となっている。
2018年度文化関係経費の都道府県別集計額をもとに、上位・下位5都道府県および富山県のランキングを作成した。東京都はどの経費をみても1位を独占しており、2位以下を大きく引き離している。
2位以下の順位は、必ずしも人口や財政規模の大きさを反映しているとはいえず、年によっても変動がある。特に大型の文化施設が新設されるときに経費が増加する。例えば、山形県は芸術文化事業費、文化施設経費では低位にあるが、同年は文化施設建設費が全国トップであったため、合計では5位となっている。
富山県は芸術文化事業費で12位、文化施設経費で16位と比較的上位にあり、合計で13位となっている。一方、文化財保護経費では40位と下位にあるのは、文化財の件数がそれほど多くないためとみられる。
1.芸術文化事業費
(教育委員会および知事部局の合算 単位:千円)
2.文化施設経費
(教育委員会および知事部局の合算 単位:千円)
3.芸術文化経費の合計
(教育委員会および知事部局の合算 単位:千円)
4.文化財保護経費(単位:千円)