【阪神化成工業】大沢野工場にBFSの化粧品・食品製造ライン集約、増産へ
点眼薬、輸液(点滴)バッグなどの樹脂容器メーカー、阪神化成工業(本社富山市、社長高田順一氏)は、4月1日から大沢野工場でBFS(ブロー・フィル・シール=成形同時充填)による化粧品、清涼飲料水の増産体制に入る。

10mL容器
同社グループで国内唯一のBFS専業会社、ファーマパック(本社同)では医療用医薬品を主体に受託製造、その後医薬部外品や化粧品などの品目を増やしてきたが、化粧品、清涼飲料水分野からの受注増加に伴い、隣接する同社大沢野工場を改築し生産関連設備も新設、さらにファーマパックよりBFS製造設備2ラインを移設して同分野の専用ラインとして本格的な増産体制を整える。
BFSはプラスチック容器の成形と内容液の充填を同時に行い、瞬時に密閉することにより、防腐剤なしでも完全な無菌製剤を製造するシステム。同社は日本での先駆け企業として22年の実績を積み、浣腸剤をはじめ点眼薬、吸入剤など医薬品等を受託製造している。

成形充填機
近年は「従来のコラーゲンやヒアルロン酸だけでなくプラセンタ化粧水など化粧水の高機能化や、商品の安全性がより要求される中にあって、防腐剤なし、1回使い切り商品などの需要が増えている」(谷口政博工場長)うえ、食品・飲料分野からもBFS商品の受注が増加基調にあり、医薬品の製造基準に応じた専用工場として対応する。
総投資額は4億円。容量は1~3mLまでと5~20mLの製品をライナップ。今後はさらなる受注により容量のラインナップや容器形状のバリエーションを増やしていく。
生産能力は1ライン2mL想定で年間800万本、10mLで同1,000万本の受託能力を備えており、将来的には「6ラインまで増設できるスペースを確保」(同工場長)し、今後の受注伸びに期待をかける。