【シキノハイテック】自律航法技術によりGPSでは測定困難な環境下の位置情報を測定 サイトセンシング社と共同開発

 シキノハイテック(本社魚津市、社長浜田満広氏)は、自律航法技術の実用化による屋内位置情報システムの共同開発についてサイトセンシング(本社東京、社長平林隆)と事業提携した。サイトセンシングの自律航法測位システム「PDRplus システム」を大幅に機能改善した「PDRplus システムオンプレ One」を共同開発し、4月に上市する。2023年度に売上高5億円を見込む。

スマートフォンを用いる自律航法測位システム

 サイトセンシングは産業技術総合研究所技術移転ベンチャーとして2012年創業。「PDRplus」は、センサ(加速度・角速度・磁気)により人や車両の現在位置や移動状況を自動計測するシステムで、GPSでは測定困難な屋内でも測定できる。ただ、自律航法はセンサモジュール装着を前提としているため、サイズが大きい・重い・連続稼働時間が短いといった課題があった。

 シキノハイテックはサイトセンシングと共同で複数の企業でPoC (概念実証)を実施し、高い評価を受けたことにより、自律航法技術の実用化に向けて共同開発を進めることにした。新システムでは、装着モジュールとしてAndroid系スマートフォンを使い、誰でも、どこでも安価に実行できる自社運用システムを目指す。最大で300人分の動きをリアルタイムで視覚化するという。

 工場・倉庫・地下施設・トンネルなど、GPS外環境での作業員の位置情報データは、これまで感覚的にとらえられていたものをリアルタイムに見える化し、製造現場の生産性向上、製造原価・人件費の明確化、作業員の行動管理・安否確認など幅広い用途に役立てることができる。同社は、人の動きや位置検出ニーズの高い製造工場、倉庫、地下施設、建設現場等への普及が期待できるとしている。

トレーサビリティ機能を強化した新型バーンイン装置を市場投入

 同社は、国内トップクラスのシェアをもつ半導体検査装置のバーンイン装置において、被試験装置ごとの固有チップID読み取り機能を備えた新型バーンイン装置「SHSB-2000Plus」を開発し、販売を開始した。トレーサビリティ強化が求められる車載用半導体分野での販売増を見込んでいる。

SHSB-2000Plus 24枚版 前面パネル(オプション)装着機

 同社のバーンイン装置「SHSB-2000」シリーズとして、扉機構の改良や警告灯の視認性向上に加え、電源ラックに使用する構成電源の最新化および筐体パネル構造の改良によるメンテナンス性向上も実現した。

 試験用ボード(バーンインボード)が24枚格納できるタイプと48枚格納できるタイプがあり、導入場所に合わせて扉下部のオプションパネル等を選べるオプションパーツも追加した。顧客の要望にあわせたカスタム性はそのままに、トレーサビリティの強化に対応するとともに、より使いやすくし、メンテナンス時間の短縮を図った。