国立科学博物館 「イセ食品 THEATER36○」 初のネーミングライツ 世界初の360°全方位の映像シアター
東京・上野公園にある国立科学博物館(館長林良博氏・富山県出身)。「日本館」と「地球館」の2つの常設展示館があり、400万点を超える膨大な数のコレクションを展示・保管するだけでなく自然史および科学技術史の中核的研究機関として日本で唯一の総合科学博物館だ。
その日本館の地下1階に、年間を通じて多くの来館者が訪れる人気のスポット、「THEATER36○(シアター・サン・ロク・マル)」がある。昨年3月に独立行政法人の文化施設として初めて、施設などの名前に企業名や社名ブランドをつけるネーミングライツを導入、イセグループ(高岡市福岡町)の鶏卵最大手、イセ食品(本部東京、代表取締役伊勢彦信氏)が「イセ食品 THEATER36○」として4年間、社名をシアターに冠してリニューアルオープンした。
シアターは地球の100万分の1の大きさのドーム(直径12.8メートル)の内側すべてがスクリーンになっていて、360度全方位に映像が映し出され、映像に包み込まれるような独特の浮遊感覚を体験できる世界初の映像施設。2005年に開催された「日本国際博覧会(愛・地球博)」で「地球の部屋」として公開していたものを、閉館後、国立科学博物館に移設し06年12月にオープン。18年9月より新たに12台のプロジェクターを導入、レーザー光源で全天約6K相当(解像度は従来比約1.5倍)を実現して色の再現性を高めるなどの設備を更新し、鮮明で大迫力の映像を演出するシアターに生まれ変わった。
それまでのシアターの観覧者数は、2006年のオープン後2年で100万人、4年後に200万人、2017年4月には500万人だったが、リニューアル後の19年7月には600万人を達成する人気ぶりだ。

「深海-潜水艇が照らす漆黒のフロンティア-」
上映作品は、「しんかい6500」に360度カメラを取り付け水深1000メートルの駿河湾や同1500メートルの沖縄トラフの海底に到達するまでを実写で撮影した「深海-潜水艇が照らす漆黒のフロンティア-」をはじめ、「宇宙138億年の旅-すべては星から生まれた-」、「海の食物連鎖-太陽からクロマグロをつなぐエネルギーの流れ-」などオリジナルの映像コンテンツを2本組み合わせる形で上映されている(上映スケジュールはホームページで確認できる)。また、外国人観光客の増加に伴い、小型の受信機で英語、中国語、韓国語の放送にも対応している。
上映は各日9:30~16:30(金曜・土曜は9:30~19:30)で、1回の上映時間は約10分、各回の定員は60名。開館時間は9時~17時(金曜は20時まで)。月曜休館。