【スギノマシン】微細気泡の力で液中の異物・油分を除去する浄化ユニットを開発 高圧水バリ取り洗浄機の新機種も
液中微細コンタミ・油分除去ユニット「JCC-HM」
スギノマシン(本社魚津市、社長杉野良暁氏)は、ファインバブル(直径100マイクロメートル以下の微細気泡)を利用して使用済みの切削液や洗浄液などから切粉・油分を除去する液中微細コンタミ・油分除去ユニット「JCC-HM」を開発した。洗浄ワークの清浄度向上ならびに廃液処理コストの低減、環境負荷の低減につながるという。
工作機械や洗浄装置では切削液や洗浄液などを使用するが、近年は環境負荷やコストの低減という観点から、使用済みの液をすぐに廃棄せず、浄化して再利用する動きが広がっている。同社は効率的に液を浄化する方法として、液中の粒子を凝集させる特性を持つファインバブルを用い、処理液中の切粉・油分などの異物を浮上分離させるユニットを開発した(特許出願済)。

マシニングセンタのクーラントタンク液面の様子
ファインバブルと独自の内部構造により短時間で液中の異物を浮上分離することができ、液の流れをコントロールすることで汚れが浄化後の液に混ざることを防ぐ。汚れを含んで水面に浮いてくる泡を消す機能を追加して廃液量を抑え、廃液回収・廃棄の工数を低減した。必要な動力はエアだけで、電気配線は不要。キャスター付きなので移設も簡単にできる。
外観寸法は幅550ミリ× 奥行き390ミリ× 高さ920ミリ。重量は50kg。価格は80万円から。まずは国内で販売を開始し、初年度は100 台、次年度以降は年間200台を目指す。
CNCタレット形水中洗浄・乾燥マシン「JCC 421 UT」
水を超高圧で噴射し自動車などの金属部品のバリ取り・洗浄を行う高圧水バリ取り洗浄機「JCCシリーズ」の新機種。新構造の採用により、従来機では困難だった水中洗浄機構のターンテーブル化に成功し、水中洗浄と乾燥を一台で同時に行うことができるようにした(特許出願済)。
機械室内に洗浄対象物を載せるターンテーブルを設け、片側では水槽に洗浄対象物を沈めて水中で洗浄、片側ではエアブロー乾燥を同時に行う。工程集約によりサイクルタイムを大幅に短縮し、生産性を向上させる。また、設置スペースも従来の半分に抑えた。ストロークと水中洗浄槽の拡大により大型ワークの6面洗浄が可能になり、多品種混流生産に対応する。
10月に名古屋市で開催された国内最大級の工作機械見本市「メカトロテックジャパン2019」に出品。2020年4月からの販売開始を予定している。