熱中症による救急搬送:高齢者が52%、住居での発生が39% 人口当たりでは鳥取県が最多、北海道が最小、富山県は6番目に少なく

 消防庁がまとめた今年5月から9月の熱中症による救急搬送状況によると、全国における熱中症による救急搬送人員の累計は71,317人となった。今年の夏も昨年と同様、各地で厳しい暑さが続いたが、昨年同期間に比べ23,820人減少している。

 昨年は7月に記録的な猛暑となり、7月16日〜22日の週に救急搬送人員数が最大となった。今年は梅雨明け後に急に暑くなり、7月29日〜8月4日の週にピークに達している。

救急搬送人員の年別推移
注:2013 年及び 2014 年の調査期間は6月から9月

 救急搬送人員の年齢区分別では、高齢者(満65歳以上)が最も多く52.0%を占める。次いで成人(満18歳以上満65歳未満)34.9%、少年(満7歳以上満18歳未満)12.2%、乳幼児(生後28日以上満7歳未満)0.9%の順となっている。

 医療機関での初診時における傷病程度では軽症が最も多く(63.5%)、 次いで中等症、重症の順となっている。死亡にいたったケースも0.2%あった。

発生場所別救急搬送状況

 発生場所別にみると、住居が38.6%と最も多く、次いで道路(15.6%)、不特定者が出入りする場所の屋外部分(12.5%)、道路工事現場・工場・作業所等の仕事場(10.4%)の順となっている。

都道府県別人口10万人当たりの救急搬送人員:赤が2019年、青が2018年

 都道府県別人口10万人当たりの救急搬送人員は、鳥取県(79.69人)が最も多く、次いで鹿児島県、岡山県、福島県、岐阜県の順となっている。最も少ないのは北海道(29.82)で、次いで神奈川県、青森県、東京都、山口県の順となっている。近年は太平洋高気圧とチベット高気圧のダブル高気圧が日本列島に張り出し、全国的な猛暑となることが多いが、熱中症の搬送人員数を見る限り、やはり北海道が最も少ない。

 富山県の救急搬送人員は501人で、昨年に比べ160人減少した。人口10万人当たりの救急搬送人員は46.98人で、全国で6番目に少なかった。