女性活躍の進展度が企業選びの鍵に 東洋大学ダイバーシティ研究グループが法人ランキングを発表

 企業における女性活躍推進が日本の将来に向けた喫緊の課題となるなか、今年5月に女性活躍推進法が改正され、女性活躍に関する情報公表の義務の対象が常時雇用労働者が301人以上から101人以上の事業主に拡大された。厚生労働省は、企業が公表した情報に基づいて「女性の活躍推進企業データベース」を運営・公表しており、学生が就職先を選ぶ際の指標としても活用されている。

 東洋大学ダイバーシティ研究グループ(リーダー:松原聡東洋大学副学長・経済学部教授)は、このデータベースのデータを独自の「女性活躍インデックス」により分析し「法人ランキング2019」を発表した。法人ランキングの発表は今回が3年目で、あわせて3年通期の順位も公表している。

 「女性活躍インデックス」は女性の活躍を業種別・企業別、時系列で客観的に評価する指標として2017年に開発したもので、「女性の活躍推進企業データベース」を国内で初めて本格利用・分析したデータとなる。分析対象企業は同データベースに登録されている10,546法人(2019年3月31日現在)から従業員1,001人以上の2,377法人を選び、さらに女性労働者の割合が80%以下、かつデータベースの主要項目に回答している1,215法人とした。

 2019年の1位はオムロンエキスパートリンク、2位が銀座アスター食品、3位がローソンとなった。3年通期で1位となったローソンは最優秀賞、イオンビッグ及びパソナテックの2社は優秀賞として顕彰した。

 富山県に本社・本店がある企業は法人ランキング上位50社、業種別法人ランキング各上位5社のいずれにも該当しなかったが、北陸銀行(143位)、富山村田製作所(236位)、北陸電力(365位)が法人ランキング500社以内に入った。

 このほか、女性の活躍推進企業を評価・認定する制度として、厚生労働省の「えるぼし」認定がある。採用、継続就業、労働時間等の働き方、管理職比率、多様なキャリアコースの5つの項目で評価し、基準を満たしている項目数に応じて3つの段階で認定している。県内企業で「えるぼし」認定を受けている企業は次のとおり。

No. 認定企業名(所在地)   認定の段階
1 アルビス(射水市) 3段階目(☆☆☆)
2 北陸電力(富山市) 3段階目(☆☆☆)
3 インテック(富山市) 3段階目(☆☆☆)
4 北陸銀行(富山市) 2段階目(☆☆)
5 ケーブルテレビ富山(富山市) 3段階目(☆☆☆)
6 協和ファーマケミカル(高岡市) 3段階目(☆☆☆)
7 YKKビジネスサポート(黒部市) 3段階目(☆☆☆)
8 日本海環境サービス(富山市) 2段階目(☆☆)
 

 上記8社のうち、北陸電力、YKKビジネスサポート、北陸銀行の3社は子育てサポート企業の証である「プラチナくるみん認定」も受けている。