【インテック】歴史的な役割果たした「技術遺産」の展示コーナー設け、新しい創造の糧に
インテック(本社富山市、社長北岡隆之氏)はこのほど、企業の受託計算事業からスタートして、現在の総合IT企業に成長するまでの歴史をまとめたパネルと、発展の一大エポックとなった技術開発を象徴する製品を展示した「技術遺産」コーナーを、北陸地区本部ビル(タワー111の前)のロビーに設けた。
展示されている製品は、1983年にサービス開始した民間初のパケット交換網「Ace Telenet」の中核装置であるパケット交換機「TP4000」、独自に設計開発したPAD装置「Ace Plexシリーズ」、さらに1992年にブラザー工業と共同開発した世界初の通信カラオケ「JOYSOUND」および集中管理システム「JS-1000L」。
IT産業、通信業界が急速な技術革新とともに産業として大きな発展を遂げてきたなかにおいて、同社が他のIT企業と大きく異なるのは、ソフトウェア開発、システム開発にとどまらず、独自の研究開発部門をもって通信技術やハードウェア技術を取り込み、技術の可能性をベースに常に新しいシステム、サービスを提供し続けてきたことにある。
1982年、通信回線の自由化を見据えて新しい通信技術、パケット交換技術をいち早く導入、それが米国GTEテレネット社のパケット交換機だ。しかし当時の日本ではいくつもの通信方式が普及していたためにさまざまな対応が必要で、米国製のPADソフトウェアでは対応できず、独自にPADソフトウェア開発を進めることになる。これがハードウェアも自社で設計開発したPAD装置「Ace Plexシリーズ」であり、この自社技術をベースに独自のパケット交換サービス「Ace Telenet」として全国ネットワークの展開を可能にした。
さらに1985年に特別第二種電気通信事業者の第1号認可を受けて、データ交換サービスやFAX配信サービス、パソコン通信サービス、電子メールサービスなどへ発展させ、その後の民間初の大規模VAN事業や新規事業の立ち上げに生かされ、インターネット、携帯電話などあらゆるデータ通信で幅広く用いられる基礎となった。
また、「JOYSOUND」は1992年に同社とブラザー工業が共同で開発した世界初の通信カラオケ。ブラザー工業が持つ精密機器の技術とインテックの通信技術とハードウェアも含めたシステム技術の融合による、画期的なサービスとして話題にもなった。
同社では「インテックの、特に技術開発の歴史をハードウェアという形で現在の社員に、当時のスピリットを具体的に観て、感じてもらうことは新しい創造にも必要なこと。将来の技術開発の糧となることを期待したい。また、訪問いただいたお客さまにも展示製品を通じて、通信業界の変遷や当社をより理解していただく機会になれば」と話している。