改元による企業活動への影響、サービス・小売ではプラスの影響、金融ではマイナスの影響も

 5月1日の新天皇即位に先立ち、4月1日に新元号「令和」が発表された。明治以降では初の譲位による皇位継承であり、今年に限り5月1日が祝日となることで4月27日から5月6日まで10日間におよぶ大型連休が控えているため、国民生活や企業活動に及ぼす影響が注目されている。

 帝国データバンクは今年2月、全国23,031社を対象に改元に関する見解について調査を実施した(有効回答企業数9,701社、回答率42.1%)。

 それによると、「プラスの影響がある」が5.3%、「マイナスの影響がある」が12.8%、「プラス・マイナス両面の影響で差し引きゼロ」が25.5%を占め、4割以上の企業が改元に関して自社に影響があると認識していることがわかった。「影響はない」は38.9%、「分からない」は 17.5%だった。

 プラスの影響として、改元にともなう大型連休により個人消費の拡大やシステム関連の改修などの改元特需を期待する声がある一方で、マイナスの影響として、営業日数の減少による業績への悪影響、コンピュータのシステム改修や事務書類の変更にともなうコスト負担を懸念する声もあった。

 業界別にみると、「サービス」「小売」では「プラスの影響がある」と回答した企業の割合が高く、「マイナスの影響がある」では「金融」が27.3%、「運輸・倉庫」が20.5%と、他の業界を上回った。

 業種別にみると、「プラスの影響がある」では、「旅館・ホテル」が30.4%とトップ。次いで「出版・印刷」(27.8%)、「紙類・文具・書籍卸売」(20.2%)、「放送」(20.0%)が続いた。「マイナスの影響がある」では、「金融」「電気通信」がともに 27.3%とトップ。 次いで「飲食店」(24.3%)、「医薬品・日用雑貨品小売」(23.8%)、「人材派遣・紹介」(22.2%) が続いた。

 改元の影響に関して具体的な理由を尋ねたところ、プラス面では「人々の気持ちの高揚」(13.5%)がトップで、「個人消費の拡大」(8.7%)、「改元特需の発生」(7.9%)が続いた。他方、マイナス面は「営業日数の減少」が 24.5%でトップ、次いで 「諸経費の増加」(14.6%)、「人手不足の深刻化」(12.2%)が続いた。

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