【ヤマト運輸】新社長に代取専務執行役員の栗栖利蔵氏(高岡市出身)が昇格
ヤマトホールディングス(HD)(本社東京・東京1部)は4月1日付で、ヤマト運輸社長の長尾裕氏が社長に就き、ヤマト運輸の新社長に同社の代表取締役専務執行役員を務める栗栖利蔵氏が昇格する。ヤマトHDの山内雅喜社長は代表権のない会長に退く。
ヤマトHDでは引っ越し子会社の代金過大請求問題などの不祥事が続いており、今年創業100年を迎えるタイミングでグループの経営体制を刷新、ガバナンスを立て直すとともに、企業価値向上に向けた構造改革に取り組む。
栗栖氏は1960(昭和35)年9月富山県高岡市生まれ。1983年4月横浜市立大学商学部卒業。同年ヤマト運輸入社。経理・財務畑を歩み、2005年4月グループ経営戦略本部部長。同年11月純粋持株会社体制移行に伴いヤマトHD財務担当シニアマネージャー。07年執行役員財務戦略・IR戦略担当兼ヤマトマネージメントサービス社長。11年執行役員財務戦略・IR戦略・海外統括・CSR担当。12年4月HD執行役員兼ヤマトフィナンシャル社長となり、17年4月からヤマト運輸代表取締役専務執行役員を務めている。
同社は宅配便事業を主力とする、ヤマトグループ売り上げの8割を占める最大の組織。年間の宅配便扱個数18億3,700万個と国内シェアで1位を誇り、事業を支えるセールスドライバーは約6万人、拠点は全国に7,200店にも上る。労働集約型の業界は、労働力不足に対応した働き方改革、省人化、効率化に向けた新技術への取り組みなど、新しい事業環境づくりに迫られており、業界トップ企業の社長に就く栗栖氏の手腕と役割に期待される。「無為自然(むいしぜん)」を座右の銘とし、趣味はゴルフ、ジョギング。