【前田薬品工業】霊峰立山を望み田園に溶け込む滞在型リゾート施設 国内最大級のハーブ園も併設
広がる田園風景の向こうに霊峰立山の峰々が望める富山県立山町に、日本最大級のハーブ園に囲まれたリゾート施設が建設される。名称は「Healthian-wood (ヘルジアン・ウッド)」。ヘルジアンは未病でありながら健康に近い人を意味する造語。
手がけるのは、「塗る・貼る」の外用剤に強みをもつ医薬品メーカーの前田薬品工業(富山市、社長前田大介氏)で、木材などの素材を活かした「和」のデザインを特徴とする建築家、隈研吾氏の事務所(東京)が設計。

アロマ工房

レストラン
立山町日中上野の田園地帯、立山町総合公園東側のおよそ4万平方メートルの敷地に、町内で無農薬栽培されるラベンダーのほか日本で古くから活用されてきた和ハーブのユズやハッカ、ヨモギ、タチバナ、ヒノキなど、100種を超える国内でも最大規模を誇るハーブ園に整備し、1期工事としてアロマ工房、県産食材を使った料理を提供するレストラン、全天候型のイベントスペースを2019年5月のオープンを目指して建設する。

イベントスペース
さらに2期工事として宿泊・温泉施設、美容サロンなどを2020年秋ごろまでに開業、「美容と健康」をテーマにした、癒しを体感できる長期滞在型の施設を計画している。総投資額は8~10億円を見込んでいる。
木と稲わらを使った壁に、特徴的な曲線を描く大屋根のレストラン、宿泊施設などいずれも木造平屋建てで、隈氏は設計コンセプトについて「日本人からは見慣れた水田の景観は、世界から見るとこれほど独特のデザインを持つランドスケープはない。建築群としての『村』にも他のリゾート地に負けない美しさがある。この地を「水田」と「立山」をキーワードに、日本を代表する景観デザインと組み合わせた新しいかたちのリゾートとして世界に発信できたらいい」と話した。
前田社長は「立山町という土地の豊かさには絶対的な美しさがあり、こころや脳に沁み込んでいくような世界観を探し求めている人たちにわざわざ来てもらえる施設にしたい。また、医薬品メーカーとしても『治療から予防へ』という製薬会社ならではの考えに基づいた新たなビジネスモデルを確立したい」と抱負を述べた。