【移住希望地ランキング】在宅勤務が増え東京の郊外の概念が拡張 富山県は17位に
地方移住に関する相談や情報提供を行っている認定NPO法人ふるさと回帰支援センター(東京、高橋公理事⻑)はこのほど地方移住に関するアンケート結果を公表した。窓口相談者の移住希望地では1位静岡県、2位山梨県、3位長野県の順となり、セミナー参加者では1位和歌山県、2位広島県、3位佐賀県となった。
調査は2020年1月〜12月、同センターの窓口利用者(相談者)および主催・共催セミナー、相談会等の参加者を対象に実施し、7,606件の回答を得た。2020年は大半の移住セミナー・相談会の開催形式がオンラインになったため、窓口相談者とセミナー参加者を分けて発表している。
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、同センターへの相談件数は前年比22%減の38,320件となった。4〜5月の緊急事態宣言期間中は休館し、職員が在宅勤務に移行したこともあり、面談件数は前年より約20%減少したが、電話・ メールの相談は前年より約25%増加している。移住相談会・セミナー等の開催数は前年比36%減の349回にとどまり、6月以降は86%がオンライン・ハイブリッド型となった。

移住希望地ランキング
窓口相談で1位となった静岡県はコロナ禍でも出張相談会をオンラインに切り替えるなど体制を整え、全ての年代からの人気が高かった。コロナ禍で在宅勤務となり、「もう一部屋」の余裕を求めて引っ越しに近い感覚での移住希望が増えており、静岡県のほか、山梨県(2位)、長野県(3位)、神奈川県(9位)、群馬県(10位)、茨城県(12位)、栃木県(13位)が上位にランクインしたのは東京の郊外の概念が拡張していったものと分析している。
富山県は相談者の移住希望ランキングで2015年11位、2016年15位、2017年10位、2018年8位と比較的上位にあったが、2019年は18位、2020年は17位となった。2020年のセミナー参加者の移住希望ランキングでは12位となった。
新型コロナによって「テレワーク」「リモートワーク」が注目を集めている折から、希望する就労形態の中に新たに項目を加えた。リモートワークによって転職しない移住が実現することになり、移住のネックとなっていた仕事の問題が解決したことで、移住のタイミングとして「1年未満の移住」希望が前年より6.1ポイント増加して33.2%となった。
移住希望先の地域類型として「地方都市」を挙げる割合は68.5%と根強い人気があり、「農村」を挙げる割合は17.9%から22.0%へと4.1ポイント増加した。農村を希望する年代は40歳代が27.0%と一番多かった。
同センターを知った経緯では「インターネット検索等」によるものが過去最大の54.3%となったほか、「自治体HP」も過去最大の21.1%となった。相談者の居住地は従来、首都圏一辺倒だったが、オンライン化によって近畿圏・中部圏からの参加者も増加しており、 居住地に左右されないというオンラインの最大のメリットが表れている。