【テイカ製薬】新社長に金岡克己氏、松井社長は会長に   

 総合医薬品メーカーのテイカ製薬(本社富山市)は4月1日付で、創業家で代表取締役の金岡克己氏が新社長に就任し、社長の松井竹史氏は代表権をもたない会長に退く。新体制により世代交代を図り、医薬品業界の変化に応じて企業価値の新たな創造を目指す。

 同社は、江戸時代から「金剛寺屋」の屋号で薬種商を営んできた金岡家が1945年に第一薬品化成と帝国水産加工研究所が合併し、帝国化成として創業。1974年5月現社名のテイカ製薬に改称した。2010年3月に配置家庭薬の子会社の第一薬品を吸収合併。新社長に就く克己氏は金岡家の娘婿で2代目社長を務めた故金岡幸二社長(インテック創業者)の娘婿に当たり、金岡家としては4代目の社長になる。

 克己氏は1956年2月生まれ。1978年3月東京大学工学部精密機械工学科卒業後、東京芝浦電気(現東芝)を経て1985年5月インテック入社。2007年4月代表取締役執行役員社長、09年6月代表取締役社長、取締役会長を歴任し、現在は特別参与。また富山国際学園理事長や富山第一銀行取締役、県経営者協会長などを務める。テイカ製薬では12年から取締役を務め、20年10月に代表取締役に就任した。

 松井氏は1940年生まれ。富山大学大学院薬学部から同大学院薬学研究科を修了し、帝国化成(現テイカ製薬)に入社。常務を経て金岡家の金岡祐一社長から引継ぎ2000年7月から現職。この間、同社を代表する目薬のほか貼付剤、褥瘡治療剤など医療用領域での新薬開発を進め、研究所、製造棟の新設のほか一般用医薬品等を扱う丹霞堂(たんかどう)の開設など事業拡大に注力し、100億円企業(2020年3月期売上高119億円)に育てた。