ハイアール・日本企業との連携に熱い視線(1) ハイアールの企業概要

 ハイアール(海爾)といっても耳慣れない方も多いのではないでしょうか?  このハイアールグループは世界最大の中国・家電メーカーで、それを支える研究開発拠点が京都府や埼玉県など日本各地にあります。このため自ずと日本企業との共同開発が日々重要なテーマになっています。

 そこで富山県内及び北陸地域の企業の方々に、ハイアールアジアを知っていただくことで、売り込みたい技術・製品の情報から連携の可能性を見出し、具体的な共同開発への機会を発掘することを目的として、

第1回:ハイアールの企業概要
第2回:ハイアールのオープンイノベーション(連携)の仕組み
第3回:日本企業との連携の具体例
第4回:ハイアールが日本企業に求めている技術ニーズ(冷蔵庫)
第5回:ハイアールが日本企業に求めている技術ニーズ(洗濯機)
第6回:ハイアールが日本企業に求めている技術ニーズ(その他家電)

の順序で説明したいと思います。

 ハイアール本社は1984年に中国山東省青島市に設立され、冷蔵庫メーカーからスタートした会社です。1991年にハイアールグループが設立され、2012年の売上高は258億ドル、2014年は326億ドルに達しました。白物家電、特に冷蔵庫、洗濯機、エアコンを中心に業務展開しております。2012年以降、白物家電では世界シェア第1位となり、ハイアールグループになってからわずか20年で世界トップの地位を占めました。

 1984年から1990年頃までは冷蔵庫を中心に事業を展開していたのですが、当時は品質が悪いために、1985年に張瑞敏会長は冷蔵庫を山積みにして、従業員の目の前でハンマーによって冷蔵庫をぶち壊すという象徴的な出来事がありました。その時のハンマーは青島・本社に今なお展示されています。

 それが社風を一変させる契機となり、またドイツの冷蔵庫メーカーと技術提携したことによって、1988年には中国国内で冷蔵庫の金賞を取るなど、品質を重視する会社として、発展への足掛かりを固めていきました。

 1990年代には、洗濯機やエアコンへと事業を広げていきました。1990年代後半からは、アメリカやヨーロッパに海外展開を進め、企業としての国際化への道のりを歩み始めました。この時から、ハイアールは国際ブランドの形成に力を入れるようになり、特に2010年以後、海外展開は加速していきました。

図表1 ハイアールグループの発展方向
資料 : ハイアールアジアR&D株式会社「ハイアールグループについて」(2021年2月10日)

 海外展開した拠点をネット化するネット化戦略から、現在、エコブランド戦略へと新たな段階に踏み入れています(図表1)。これはIoT(モノのインターネット)エコシステムの構築により、エコブランドを確立していくとの意思表示です。

 ハイアールのグローバル戦略というのは、白物家電で世界をリードしていくということを軸に、コンセプトとしてはユーザー第一主義、事業の多角化、現地化商品です。この3つを基本戦略として、グローバル戦略を展開しております。

2010年以降、ハイアールグループは活発に海外M&A展開してきました。2012年に日本企業・三洋電機の冷蔵庫と洗濯機事業を買収し、日本での開発拠点を京都府や埼玉県を軸に、市場開拓の足掛かりを掴みました(図表2)。

図表2 ハイアールアジアの日本の研究開発拠点
資料 : ハイアールアジアR&D株式会社「ハイアールグループについて」(2021年2月10日)

 2016年1月にはアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)の家電部門を買収しました。買収額は54億ドル(約6,370億円)に達し、家電部門の人員や米国での事業基盤を引き継ぎ、知的財産や「GE」ブランドも取り込むこととなりました。

 ハイアールが三洋電機やGE家電部門を買収したことにより、ハイアール・ブランドは、家電市場で国際的に浸透しており、世界の家電リーダーとして急成長を遂げています。簡単ですが、以上がハイアールの会社概要です。

お問い合わせ先 : 実業之富山社/大野 一