【富山大学】CNF+アルミの複合材を開発 強度はアルミの約2倍、比重は30%減少
富山大学先進アルミニウム国際研究センターの松田健二教授(センター長)らの研究グループは、木材などから抽出したセルロースナノファイバー(CNF)とアルミをハイブリッド化し、アルミニウム等の軽量化に資する「繊維強化複合材」の製法を開発した。
グループはマトリックス中にCNFが分散されている構造を創出するため、攪拌・調整したCNF懸濁液にアルミニウム繊維不織布を浸漬してCNFとアルミニウム繊維を積層させ、乾燥、圧縮させる手法で繊維強化複合材の製造に成功。強度は純アルミニウムの約2倍、比重は30%減少となり、既存設備による加熱した状態での押出成形にも成功した。
今後、自動車部材の軽量化などの材料として期待されるだけでなく、CNFは溶解工程で燃えてしまうため、廃棄時にはアルミ素材として回収可能で、リサイクル性も高い。特許は2020年4月に出願した。
同センターは、富山県の地場産業であるアルミ産業および周辺技術関連の企業と連携し、国内外の研究者・技術者と共同でアルミニウムに関する最先端の材料関連研究を推進して金属材料生産拠点の形成を図るとともに、大学院理工学教育部における人材育成を支援している。