【YKK不動産】パッシブタウン、日本造園学会の最高賞を受賞 黒部の自然環境を最大限に活かす

パッシブタウンセンターコモン全景

 YKKグルーブのYKK不動産(本社東京、社長小林聖子氏)が黒部市で建設をすすめるパッシブタウンのランドスケープに関する取り組みが、日本造園学会(東京、会長柴田昌三氏)の2019年度学会賞(技術部門)を受賞した。学会賞は最高賞にあたる。

 受賞したのは、マスタープランナーを務めた宮城俊作東京大学大学院教授をはじめ、高橋宏樹アランズデザイン代表、村上暁信筑波大学大学院教授、熊倉永子国土技術政策総合研究所主任研究官の4名による取り組み。屋外空間の表面温度の上昇を抑制するため、植栽や舗装材、水景施設の組み合わせを最適化する熱環境シミュレーションを活用し、施工後の空間や環境性能まで踏み込んだ景観形成の設計技術が、黒部市特有の自然環境資源を活かした高水準の造園技術であるとして高く評価された。

 パッシブタウンは、水や風、自然光などの自然エネルギーを活用した住環境の実現を目指し、2016年には第1街区と第2街区、17年には第3街区が完成している。ランドスケープデザインについても、黒部の自然環境を最大限に生かす状況をつくることを基本コンセプトとして設計されている。

 日本造園学会は1925年に設立された日本のランドスケープ学術に関する基幹学会。学会賞は「研究論文」「著作」「設計作品」「技術」「事業・マネジメント」の5部門あり、学会の正会員2人の推薦に基づいて選考委員会で選ばれ、現地審査などを経て受賞者が決まる。