【富山第一銀行】全行的な改革に向けた戦略立案、「ビジネスイノベーション室」始動

 富山第一銀行(本店富山市、頭取横田格氏・東証1部)はこのほど、総合企画部内に2つ目の新たな部内室として「ビジネスイノベーション室」を設立、室長に就いた野村充副頭取を含む3~4人体制でスタートした。

 主要なテーマに、①システム開発に向けた基本方針の策定、②将来のビジネス革新に向けた新規業務の企画・立案、③コスト構造の改革に向けた戦略の立案、④関連会社との協働・連携強化に向けた検討、の4つを掲げた。

 地方銀行は長引く超低金利による利ざやの縮小や、少子高齢化による地域の人口減少、企業の減少などの進行、加えて貸出金利の引下げ競争もあって厳しい経営環境にある一方、これまでの伝統的な金融サービスとは異なるフィンテックによる金融周辺サービスの広がりで事業環境は大きく変化している。

 国は、フィンテックによるイノベーションを促す新たな規制・制度環境整備の実現をめざし2018年6月に改正銀行法を施行、オープンAPIという仕組みの導入を2020 年6月までの努力義務として定めた。オープンAPIは金融機関がシステムへの接続仕様を外部の事業者に公開し、あらかじめ契約を結んだ外部事業者のアクセスを認めることで安全なデータ連携や利便性の高い、金融サービスの提供を可能にするというもの。

 ビジネスイノベーション室は、こうした地方銀行を取りまく金融環境を踏まえ、現在の預金+融資+為替に、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用で定型作業の自動化や、異業種連携やデータ利活用にデジタル戦略を組み入れ、全行にわたるコスト構造の改革を推進する。また将来のビジネス革新に向けた新規業務の企画・立案などを担うことで、金融サービスの新たな時代への戦略に取り組む。