【全国花粉症重症度調査】重症率が最も高いのは兵庫県、最も少ないのは三重県、富山県は39位

 新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、2月からスギ花粉の飛散シーズンに入り、花粉症に悩まされる人が増加している。ノバルティスファーマが実施した「花粉症重症度調査」によると、重症患者の割合は地域差があり、最も高いのは兵庫県、最も低いのは三重県だった。

 調査は2019年11月、花粉症が生活や仕事に及ぼす影響を探ることを目的に、花粉症を自覚している47都道府県の男女9,400人を対象にウェブアンケートにより行われた。

 「鼻アレルギー診療ガイドライン2016年版」で示されている重症度分類にしたがい、「1日に起こるくしゃみ発作の平均回数」「1日に鼻をかむ平均回数」「鼻づまりの程度」「日常生活の支障度」について尋ねた結果、「重症」が23.2%、「最重症」が26.4%となり、合わせて49.6%が重症花粉症に分類される症状を持っていた。

花粉症重症率ランキング:アンケートの結果、花粉症が「最重症」および「重症」の人の割合

 重症花粉症を示した回答者が最も多かったのは兵庫県(55.5%)で、長野県、宮城県、新潟県、愛媛県が続いた。最も少なかったのは三重県(41.0%)で、以下、少ない順に山形県、奈良県、埼玉県、大分県が続いた。富山県は47.0%で39位だった。

 症状の重症度に関係なく花粉症の症状がある人の割合を都道府県別にランキングしたデータもある。ストレスオフ・アライアンスが昨年3月、全国の男女14万人を対象に実施したインターネット調査「ココロの体力測定2019」の花粉症に関する調査によると、男性は1位岐阜県、2位群馬県、3位山梨県、女性は1位群馬県、2位静岡県、3位岐阜県の順に多かった。富山県は男性が37位、女性が29位だった。

 国内の花粉症患者数については、はっきりしたデータはないという。厚生労働省が一般向け情報として掲載している花粉症特集で、以前に行われた疫学調査における地域別の有病率を紹介している。それによると、全国平均は15.6%で、東北13.7%、北関東21.0%、南関東23.6%、東海28.7%、北陸17.4%、甲信越19.1%、近畿17.4%、四国16.9%、中国16.4%、九州12.8%となっており、北海道、沖縄はごく少ない有病率だった。