【伏木海陸運送】20年6月期は期初目標の業績確保へ グループ力で営業強化
伏木港、富山新港を拠点にコンテナなど港湾作業を中心とする総合物流会社。11の子会社を擁し、不動産賃貸やニット製品製造、木造注文住宅、客船クルーズの旅行企画も手掛ける。今年会社設立75年にあたる。
2020年6月期の中間連結(19年7~12月)は主力の港湾取扱貨物が増加した一方、ニット製品や戸建て注文住宅事業が振るわず営業利益、経常利益ともに減益となり、土地の売却益で最終利益は10.9%の増益を確保した。単体の貨物取扱量は439万533トン、対前年同期に比べ0.6%減少した。
部門別では、主力の港運部門は火力発電向けの石炭やコークスなど輸入バラ貨物が増えたほか、ロシア向け中古自動車の取り扱いが前年比約3割増加、同事業単体の取り扱い量は222万トン、5%の伸び、通運部門も扱い量で16.4%増えた。また倉庫・自動車部門はそれぞれ9%、5.2%減った。セグメント収益でも港運部門で増益となったほかはいずれの部門も売り上げ、利益が落ち込み、ニット製品事業は赤字だった。
2020年6月通期は売上高135億円(4.6%減)、営業利益7億9,000万円(8.3%減)、経常利益7億8,000万円(3.9%減)、純利益で4億円(10.9%減)と期初の業績予想に変更はないとしている。
ただ、「海上コンテナなど当社の輸出入貨物の3分の1は中国。ここへきて新型肺炎の影響で中国の経済活動が停滞し、サプライチェーン(部品の調達・供給)など物流に支障が出始めており、海運会社や港湾業者にもコスト上昇や業績の重しになる」(川西社長)ものの、グループによる営業活動の強化を進める。
その一つが不動産事業。昨年末、大和高岡店が撤退した高岡市の再開発ビル「御旅屋セリオ」の旧レストラン跡に入居した「レストラン・デュオ」は、収容人員150名、大型スクリーンを設置したeスポーツバーなども楽しめる新しいコンセプトで3月25日にオープンする。また、今年は伏木富山港に昨年を上回る5回の大型クルーズ船の寄港を予定しているほか、ロシア向け中古自動車の取り扱いも引き続き堅調な伸びが見込まれる。