【YKK AP】リモコンシャッターや玄関ドアがHEMS機器と連携開始 施工技能者不足解消に研修施設を開設

 YKK AP(本社東京、社長堀秀充氏)は「リモコンシャッターJEM-A端子付」を新発売し、玄関ドアの「スマートコントロールキー」と共にHEMS機器との連携を開始した。シャッターの開閉や玄関ドアの施錠がスマートフォンで管理でき、利便性が向上する。

 JEM-A(ジェマ)は日本電機工業会が定めた家庭用機器の通信規格。住宅設備のIoT化やスマートハウス化が進むなか、防犯や防災の観点から、シャッターや玄関ドアも含めた住宅設備全体の集中制御のニーズにこたえ、HEMS側の機器の端末やスマートスピーカー、スマートフォンでの操作が可能になる。

 例えば、集中豪雨や竜巻などが発生した際に外出先からシャッターを閉めることで飛来物の衝突によるガラス割れの被害を防ぐことができる。また玄関ドアについても、スマートコントロールキーに連動するインターフェースユニットとHEMS機器が連携することで、外出先からスマートフォンによる施錠が可能となる。

 参考価格は「エピソードNEO」シャッター付引違い窓(幅1,690ミリ×高さ2,030 ミリ)のリモコンシャッターJEM-A端子付が254,600円、リモコンシャッター耐風JEM-A端子付が273,500円。玄関ドア「「ヴェナート D30」(片開きドア、スマートコントロールキーポケットKey+インターフェースユニット)が437,000 円など(消費税、組立・搬入・施工費などは含まず)。

エクステリア施工技能者育成へ「DO SPACE上尾」開設

DO SPACE上尾の外観(左)と実技研修場(右)

 YKK APは1月24日、エクステリア施工技能者の育成やレベルアップ、施工技能の伝承などを目的に、埼玉県上尾市にエクステリア施工技術研修所「DO SPACE 上尾」を開設した。

 ガーデンエクステリアや窓まわり・バルコニーなどのウォールエクステリアの市場拡大が期待されるなか、エクステリア施工技能者の不足や高齢化、施工品質の高度化への対応が課題となっている。「DO SPACE上尾」では、エクステリア施工初心者やYKK AP商品未取り扱い者を中心に実践的な施工技術を習得できるようにする。経験豊富な施工技能者が現場で培った“職人技”を持ち寄り、さらなる施工技術力向上にもつなげる。

 単に商品の組立や取付方法を学ぶだけでなく、実物大の躯体や研修体を活用した実技研修によりエクステリア工事の基本から研修するのが特長。施工現場で必要な現場マナー、安全知識、関連法規なども座学にて研修する。初年度は100回、500名の研修を予定している。

カーネギーメロン大学と産学共同研究を開始

 YKK APは、米国のカーネギーメロン大学と窓・カーテンウォール・ドアなど開口部材の施工技術に関する共同研究に着手した。昨年5月、同大と締結した契約に基づき、12月から研究員を増員し本格的に活動開始となった。期間は2024年4月までの5年間。

 カーネギーメロン大学は、米国の新たなテクノロジー集積地として注目されているピッツバーグにあり、ロボットやITを活用した応用研究を得意とする。YKK APから派遣する研究員2名と同大の嶋田憲司教授が率いる研究室とが連携しながら、継続的な研究活動を進める。

 共同研究では、最先端のロボットやITを使用した開口部の新たな施工技術を開発するとともに、施工生産性や品質の向上を図る。VR(仮想現実)・AR(拡張現実)・MR(複合現実)技術の調査や、躯体への新たな固定方法の研究なども進め、施工技術のイノベーションを目指す。