【NEC】富山市と高松市でスマートシティ実証研究 公共交通と民間システムを連携し交通や観光の利便性向上
NEC(本社東京、社長新野隆氏)は、内閣府が実施し新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が管理法人を務める戦略的イノベーション創造プログラム第2期におけるスマートシティ実証研究の委託先に採択され、富山市と高松市で次世代移動サービスMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)の実証研究を11月から開始した。
両市はともに中核都市かつコンパクトシティ先進都市であり、富山市は公共交通インフラを軸とした公共交通沿線地区への居住推進、中心市街地の活性化を、高松市では公共交通ネットワークの再編および交通系IC カードを活用した利用促進策を進めている。
NECは両市にスマートシティ向けデータ利活用基盤サービスを提供しており、実証研究ではこれらの情報基盤を活用して、市内の施設、店舗等の情報提供システムと公共交通経路検索システムを連携させ、市民や観光客が公共交通を利用する際の利便性・回遊性の向上を目指す。実証研究期間は来年3月まで。

分野横断サービスのイメージ
その方法として、交通情報の提供を手掛けるジョルダン(東京)とともに、鉄道・バス・徒歩・路面電車・レンタサイクルなどさまざまな公共交通手段を組み合わせた「マルチモーダル検索」を実現し、公共交通のリアルタイムの位置情報と施設・店舗等の観光・商業情報を連携させて、目的地までの効率的な移動方法を観光客らに情報提供する。
実証研究の成果はスマートシティ・アーキテクチャの構築へ反映するともに、日本版MaaSの実証事例として交通・観光を核とした地域の課題解決モデルを確立し、他都市への展開を目指す。
富山市は、市が構築したスマートシティ推進基盤を民間事業者らに実証フィールドとして提供し、幅広いサービスへの展開を図っている。実証実験結果は市のホームページなどで公開している。