【スギノマシン】超コンパクトな金属積層造形機能搭載の5軸MCを開発 異種材料を組み合わせた高機能部品の製造が可能

金属積層造形機能を搭載した5軸MC「XtenDED」

 工作機械メーカーのスギノマシン(本社魚津市、社長杉野良暁氏)は、金属積層造形(AM)機能を搭載した小型の同時5軸マシニングセンタ(MC)「XtenDED」を開発し、2020年4月に発売する。

金属積層造形の様子

 自社製の小型の同時5軸MC「 Xion α-5AX 」をベースに、ノズル先端から噴射した金属粉をレーザーで溶融・凝固させながら肉盛りするDED方式(指向性エネルギー堆積法)により、異種材料を組み合わせた高機能部品の製作から、複雑な曲面形状を造形する精密な切削加工まで、1台で完結できる複合加工機。航空機エンジン部品の製作や摩耗した金型の再生、金型の耐久性向上などに活用できる。

 装置の外形寸法は幅3,125×奥行き2,500×高さ2,550mmで、質量は5000kg。付属機器を含めて約7.8㎡のスペースに納まり、業界最小クラス。積層造形用ノズルは切削加工時に退避するため、切削加工時にノズルが干渉しない安全設計(特許出願済)。

切削の様子

 切削機能はXion α-5AXの仕様を踏襲し、X×Y×Z軸の位置極め精度は0.002mm、繰り返し精度は±0.0001mm。主軸の最高回転速度は4万rpmで、送り軸の早送り速度と切削送り速度は18m/min。価格は7,800万円(税別)から。

 9月16日から21日まで独ハノーバーで開催される欧州最大規模の工作機械見本市EMOショーに出展し、国内および欧米市場を対象に2021年3月までの初年度で20台の販売を目指している。