【ゴールドウイン】スパイバーと共同開発、微生物由来の新素材を使用したウェア発売へ

 ゴールドウイン(本社東京、社長西田明男氏)は、新世代バイオ素材開発のベンチャー企業Spiber(スパイバー:本社山形県鶴岡市、代表執行役関山和秀氏)と共同開発した構造タンパク質素材(ブリュード・プロテイン)を使ったTシャツを都内で発表した。ザ・ノース・フェイスとスパイバーとのコラボレーションプロジェクト「THE NORTH FACE Sp.」のアイテムとして8月下旬に限定250着を予約発売する。
 
 現在スポーツアパレルの多くはポリエステルやナイロンなど合成高分子材料を使用しているが、両社は石油などの枯渇資源に頼らず循環型経済へ転換していくという課題に挑むため、共同研究開発を開始。脱マイクロプラスチック・脱アニマル、軽量化のニーズ等に応える持続可能な新素材として構造タンパク質素材に着目し、その実用化に向けた研究と製品の開発を進めてきた。
 
 “地球の均衡”を意味する「Planetary Equilibrium Tee(プラネタリー・エクイリブリアム ティー)」と名付けられたTシャツは、スパイバーが4年をかけて開発した新しいタンパク質素材を使用している。微生物を使った発酵プロセスによってタンパク質を生成し、スパイバー独自の加工技術により繊維化したもので、植物由来のセルロースであるコットンと、微生物由来のブリュード・プロテインを82.5 : 17.5の割合で配合している。これは、地球全体のバイオマス重量の約82.5%は植物、17.5%は微生物と動物が占めるという生態系のバランスを参考にしている。 
  
 Tシャツの生地はヘビーウエイトでありながら、しっとりとした滑らかさが混在する独特の質感が特徴。ボディには「Nutrition Facts(栄養成分表示)」をモチーフにしたデザインを配置し、地球規模の環境課題に対するメッセージを込めている。
 
 サイズはS、M、L、XL(ユニセックス)。カラーはブラック。価格は25,000円(税別)。250着の予約限定販売で、6月20日~7月20日まで特設サイト(https://www.sp.spiber.jp/tnfsp)から申し込み、後日抽選のうえ8月下旬ごろより渋谷区神宮前の 「ザ・ノース・フェイス オルター」店頭にて購入できる。

 次なる製品として、11月にはアウトドアジャケット「MOON PARKA®(ムーン・パーカ)」の発売を予定している。ムーン・パーカは2015年10月に人工合成クモ糸を使用したプロトタイプを発表し、16年に販売する計画だったが、品質の安定性や量産体制の問題で製品化を延期していた。その後、アウターウェアに適したタンパク質素材の改良を続け、ザ・ノース・フェイスの製品として求められる品質基準に達したことから発売を決定した。8月下旬に開催予定の発表会で紹介される。
 
 スパイバーは人工構造タンパク質素材の量産化に向け、このほどタイでの工場建設に着手、2021年の商業生産開始を目指している。ゴールドウインは構造タンパク質素材をアウトドアに関わる全てのアイテムに広げたいとしており、2025年の製品化を見込んでいる。
 

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