県内地銀3行、QRコード使う「スマホ決済」サービス導入 「いつでも・どこでも・無料」で

 みずほ銀行は、QRコード(デンソーウェーブの登録商標)を使ったスマートフォン向け決済サービス「J-Coin Pay (Jコインペイ)」の提供を、2019年3月1日から開始する。同時に富山県内の北陸銀行、富山第一銀行、富山銀行の3地銀を含む地方銀行など全国約60の金融機関が参加し、普通預金口座を持つ個人を対象に、みずほ銀行が提供するJ-Coin Payサービスの利用を導入する。
 
 富山銀行は3月25日、北陸銀行は4月1日(予定)、富山第一銀行は5月からJ-Coin Payへの口座登録サービスを開始する予定だ。

 J-Coin Payは、「送る」、「送ってもらう」、「支払う」というお金に関する一連の行為がスマホ上で完結できる利便性に加え、銀行口座との入出金についても、スマホ上のアプリで「いつでも・どこでも・無料」で簡単にできるサービス。

 具体的には、利用に先立って利用者は専用アプリをインストールし、利用者登録を行った対応銀行の普通口座さえ持っていれば、急な送金をするときなどATM(現金自動預け入れ払い出し機)に行く必要もなく、銀行窓口に行く必要もない。

 J-Coin Pay同士であれば手数料無料で送金できる。銀行口座からアプリにチャージするときや、アプリ内のJ-Coinの残高を銀行口座に戻して現金化する際も、手数料は無料。利用者にとって時間に関係なく銀行口座に自由に出し入れできることのメリットは大きく、使い勝手がよいのが特徴。

利用者、加盟店の囲い込みが大きなカギ

 金融機関は、預金や貸出残高の量的拡大、融資による金利や手数料収入に依存してきたこれまでのようなビジネスモデルに変革が求められている。その大きなひとつが、店舗やATMの統廃合によるコストの抜本的な見直しであったり、顧客に対する資産形成へのアドバイスやコンサルティング、中小企業の金融改善を含めた経営支援などの付加価値の高い業務の提供である。

 さらにIT系や流通系など他の業界から新しい金融サービスの担い手が増えていることも、金融機関を取り巻く環境の大きな変化であり、QRコードやバーコードを使ったスマホによるキャッシュレス決済への相次ぐ参入だ。

 すでに「LINE ペイ」や「オリガミペイ」「楽天ペイ」「d払い」「ペイペイ」「アマゾンペイ」「メルペイ」「アリペイ」など中国企業を含む大手IT系が参入、さまざまな事業者が自社サービスを金融機関と連携させたり、あるいは単独でサービスを進めており、スマホ決済サービスの分野は競争激化の様相を呈している。

 そんな中で、後発での参入になるみずほ銀行が提供するJ-Coin Payは、銀行系ならではの口座を持つ消費者との強い繫がりと信頼、現在の口座保有者の総数を強みにする。60の金融機関が参加することで顧客基盤は約5,600万人となるという。

 また、J-Coin Payが利用できる小売店や飲食店などが支払う決済手数料をクレジットカードより低くするほか、海外の決済サービスと提携し、訪日観光客が母国で利用している決済手段を使って支払いできるサービスなどで他社との差別化を図るという。サービス競争するうえでJ-Coin Payを利用する加盟店や利用者をどれだけ地方銀行が自前で囲い込めるかが大きなカギとなる。

県内の3地銀、自社独自のサービス決済も

 県内の3地銀はJ-Coin Payのほか、一方で利用者の使い勝手に対応した自社独自の領域にあったサービスの導入も進めている。

 北陸銀行と北海道銀行は、GMOペイメントゲートウェイ(東京)と提携して、事前チャージ式のJ-Coin Pay とは決済の流れが異なる「ほくほくPay」を9月までに導入。富山第一銀行は昨年11月から行内でブロックチェーン技術を使ったスマホ決済の実証実験中で、地域通貨の導入に向けた可能性を探っていく。また、富山銀行はすでに「ペイペイ」が利用でき、今後は他のサービスとの提携も検討中という。

 日本はいまだに支払いの8割に現金が利用される「現金大国」である。経済産業省のデータによると、キャッシュレス決済比率は韓国で89.1%、中国で60.0%に達する一方、日本は18.4%と低い。国は2020年のオリンピック・パラリンピック東京大会開催等を視野に入れたキャッシュレス化を示し、27年までにキャッシュレス決済の比率を4割程度とすることを決定している。

 プラスチックカードによらないスマートフォンや、インターネットやAPI(ソフトウェアの機能を共有する仕組み)を活用した既存の決済スキームとは異なる形態が登場、決済サービスそのものが多様化しており、今後もキャッシュレス化を実現する新たな決済サービスの登場が予想される。

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