中山間地集落の8割以上が衰退を予想、移住者受け入れには前向き

富山県の中山間地域地図

 富山県内の中山間地域における集落の現状や課題について県地域振興課が実施したアンケート調査によると、暮らしにおいて困難が生じていることとして「後継者の育成・確保」という回答が最も多く、空き家がある集落は約6割に及ぶことがわかった。

 調査は昨年6〜8月、中山間地域に位置する1,299集落の自治会長等代表者を対象として調査票を送り、1,001集落から回答を得た(回収率77.1%)。対象集落数は南砺市の353集落が最も多く、富山市(282集落)、氷見市(228集落)の3市で全体の3分の2を占める。回答者の98.2%が男性で、年代では60代が58.5%を占めた。

 暮らしにおいて困難が生じていることとして、「後継者の育成・確保」(61.2%)のほか、「獣害・病害虫の発生」(58.9%)、「除雪活動の負担の増加」(53.0%)、「公共交通の利便性の低下」(50.4%)が上位にあがった(複数回答)。

暮らしにおいて困難が生じている課題(上位項目のみ)

 地域区分別に見ると、山間地及び中間地では「獣害・病虫害の発生」と「後継者の育成・確保」の割合が高く、中心集落(都市的な集積が進んでいる地域)では「空き家の増加」や「伝統的祭事の衰退」の割合が高かった。

 現在行っている地域活動のうち、「地域資源を活用した特産品の開発・販売」「伝統芸能の継承活動」「集落の山林や農地等の管理」については約6割の集落が継続が「不安」または「困難」と回答した。

ほとんど管理されていない空き家が26%

 空き家や空き店舗(おおむね3年以内に発生したもの)が「ある」と回答した集落は、全集落では59.0%と半数を超えた。特に中心集落では69.4%の高率だった。

空き家・空き店舗(おおむね3年以内に発生したもの)の有無

空き家の管理状況

 空き家等の管理状況として、「定期的に清掃管理されている」が54%であったものの、「ほとんど管理されていない」が26.3%となった。空き家等の所有者については、ほとんどが把握されてはいるが、中心集落では把握していない割合がやや高かった。

 高齢者(概ね75歳以上)の主な移動手段では、「自動車(本人が運転)」が最も多く、平地では81.0%となった。「自動車(家族や近所の人が運転」がこれに次いで多かった。中心集落では他の地域に比べ「徒歩」「自転車」の割合が高かった。

 高齢者が出かける際に今後充実してほしい移動手段では「コミュニティバス」が最も多く、70%前後を占めたが、中心集落では51.4%にとどまった。「相乗り運送サービス」「路線バス」は3割前後となった。

 高齢者だけの世帯が「ある」との回答が91.1%を占め、中でも中心集落では94.5%と高くなった。高齢者の安否確認の実施状況は「ほぼ毎日」が14.0%、「1週間に1回」24.5%、「1か月に1回程度」22.7%となったが、「行っていない」と「わからない」も25.0%あった。

 集落に対する愛着や誇りについては、「強く感じる」(38.4%)、「多少感じる」(48.3%)を合わせて86.7%が愛着や誇りを感じていることがわかった。集落内の自慢・誇れるものとしては、「自然や景色」が65.2%と最も多く、次いで「人や人情」が61.6%、「住みやすい環境」56.3%となった。

 地域の農業を支える担い手が「十分にいる」はわずか4.0%にとどまり、「いるが足りない」と「いない」で8割を占めた。農地の維持・管理を行うのは「個人農家」が45.5%と最も多く、山間地では63.5%と半数を超えた。「集落営農組織」28.3%、「地区内の担い手」7.4%がこれに次いだ。農業の維持・管理に必要なものでは、「農業の担い手育成・確保」(72.7%)が最も多かった。

中心集落では移住者受け入れに積極的

 移住者の受け入れ実績(過去5年間)では、「ある」が46.7%を占めた。地域区分別に見ると、中心集落では「ある」が63.9%と最も高く、山間地では36.5%と低かった。

移住者の受け入れ実績(過去5年間)

 全体の71.0%が移住者を受け入れたいと回答しており、移住者の受け入れに前向きな集落が多い。特に中心集落では80.3%と高い割合となった。受け入れたい理由では「世帯が増える」「空き家の有効活用」「集落の担い手として期待」との回答が多かった。

 今後の集落の方向性(おおよそ20年後)について、82.5%が「衰退していく」と回答し、山間地と中間地では90%を超えた。「現状とおおむね同じ」は14.5%、「今より活性化している」はわずか1.3%だった。

 集落に将来のリーダー「候補がいる」は50.2%で、「いない」が20.2%となった。集落活性化に効果的な取り組みとして「移住の促進」が37.9%と最も多く、次いで「祭りやイベント行事など人との交流」25.6%、「活動や行事の見直しや改善」25.1%となった。

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