米中貿易戦争、県内企業への影響は?

古紙・板紙も対象

 関税の引き上げ合戦は副資材のコストアップにつながる。古紙や板紙も米中の追加関税の対象になっており、日本国内の段ボール加工・板紙メーカーへの影響が懸念される。

 最大の古紙消費国である中国ではインターネット通販や輸出製品の伸びにより段ボール需要が急増を続け、これを受けて原料の古紙は圧倒的に不足し、日本をはじめ米国や欧州からの輸入で補ってきた。中でも日本の古紙は分別精度が高く、日本の国内古紙価格に比べて高値で輸出される。さらに中国政府は今年、「輸入廃棄物原料環境保護規制基準」を施行し環境規制基準を一段と強化したこともあって、日本からの輸入にシフトする傾向を強めている。

 日本国内でも景気回復基調のもとで需要が拡大、2017年(1〜12月)の国内段ボール生産量は前年比1.7%増え142億741万平方メートル(全国段ボール工業組合連合会)と引き続き前年を上回る伸びだった。だが古紙原料の需給タイトで日本国内の古紙価格も上昇し、国内段ボール原紙の約75%を占有するレンゴー、王子ホールディングスなど大手が原紙価格を昨年相次いで値上げした。

 富山・石川・新潟3県を営業エリアに3事業所を展開しているダンボール生産の一貫メーカー、サクラパックス(本社富山市、社長橋本淳氏)は原紙の値上げに苦慮しながらも、生産量で前年比2.7%増を確保、業界の伸びを1ポイントも上回った。だが「キロ10円値上げされた昨年の分を製品価格に反映できていないうちに、11月1日以降の出荷分からさらにキロ8円の値上げが予定されている」。値上げ理由は、重油や石炭、都市ガスなどの燃料、薬品などの補助材料、物流経費などが大幅に上昇していること。収益環境の悪化は避けられないとみている。

 トランプ大統領は今回の措置に中国が報復した場合、対中制裁第4ラウンドとして中国からの輸入品すべてに高関税を付加すると主張、自動車や機械などの部品に対しても高関税が課せられるため、中国経済の成長が貿易戦争によって鈍化するようなことになれば、日本にとって関税引き上げはこれまでに築いてきたサプライチェーン(供給網)の再構築を迫られるだけでなく、中国に生産拠点を設け、米国輸出への比率が大きい自動車・自動車部品、工業製品への打撃は大きい。11月の米中間選挙を控え、関税問題は国内外にどのように波及していくか。目が離せない。