米中貿易戦争、県内企業への影響は?

 中でも自動車、電子製品の生産に力を入れる中国向けは「米中貿易の問題が出始めたころから、黄銅線を中心に前倒しで受注が急増し一時は休日返上で生産に追われた。それも今年6月にピークアウトを迎えた。駆け込み需要の反動がこれから出てくるとすれば、影響は避けられず、サプライチェーンの見直しとともに、他の地域に販路開拓を急ぎたい」とする。

 中国に現地工場を持つ工業用樹脂加工メーカー2社の場合。中国の天津、上海、広州に工場があり、自動車・事務機部品を製造する樹脂加工メーカーの三光合成(本社南砺市、社長黒田健宗氏・東京一部)は「中国の3工場からの直接輸出はなく、受注から決済までいずれも日本本社で取りまとめており今の段階で影響はない。もともと現地生産・現地消費が前提の海外展開を図ってきたので、関税にかかわる問題が出たとしても軽微」とみている。

 タカギセイコー(本社高岡市、社長八十島清吉氏・ジャスダック)は、上海市、佛山市、武漢市に工場を持ち、日系自動車の内装部品、パソコンの筐体を製造している。このうちパソコンの筐体は納品しているレノボが完成品にして世界各国に輸出している。また足元では燃費の良さで人気の高い日本車の売れ行き好調を背景に、新しく塗装ラインの増設計画を進めているが、「9月に発動された追加関税の影響がこれから先どう出てくるか」自動車メーカーの動向に大きく左右されるとして模様眺めの状態だ。

 電子部品も追加関税の対象になった。ワイヤーハーネスで世界シェアトップの住友電装を受注先として、自動車用のコネクタやワイヤーハーネス(組み電線)を製造するファインプラス(本社滑川市、社長三宮悟治郎氏)は、恵州市、蘇州市に工場を構える。グローバル企業として事業展開する住友電装の成長とともに、受注拡大を続けているが、中国工場の製品は住友電装の米国向けだ。「追加関税の対象となったことで、住友電装は生産戦略を見直す検討に入っているようだ。主力生産地の変更を含めて検討されるだろう。それによって当社の方向も決まってくるのでないか」(三宮社長)とみている。